2人の王子と天然の姫
「隼人・・・」
小さく呟いてみる。
もちろん
本人には聞こえるはずもない。
「なあ・・沙羅」
「・・・」
返事はしない。
「お前だけじゃないぞ」
「??」
「緊張してんの」
「!!」
私は思わずベッドから出る。
でも
そこまで。
「俺はずっとお前にさ、
今まで男だとおもわれてなかっただろうから。
だから・・・緊張すると思うんだよな」
「・・・」
「でもずっとお前のことを好きだった俺でさえ
今お前がいることには緊張してんだよ」
「・・・。」
「だから・・・気にすんなっ!!
バカにもしたりしねぇから・・・」
「・・・」
「だから、出て来いよ。沙羅」
----ドンっ
「隼人っ」
「バカ沙羅」
私は扉を開けて
泣きながら隼人に抱きついたのだった。