2人の王子と天然の姫

それから沙羅は

ケンカの現場を見るたびに震っていた。

1人で泣いてるのも知ってる。

でも

その時の俺はまだガキで

どうにも出来なかったんだ・・・



それからどんどん年が過ぎて

ケンカする奴も少なくなってきた。

それでも何処かで

怖いと思ってる沙羅がいると思う。

それは全部

俺のせいだから。

だから俺は沙羅の前では絶対に

拳を握らないと決めた。

でも

もし・・・

沙羅に何かあったときには

俺が全力で守ろうと決めたんだ。

二度と悲しまないように。



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