2人の王子と天然の姫

「だからさっ
なんつーか・・・それから俺。
全部どうでもよくなってよっ。
気づいたら、昔の隼人になってた」


私は何もいえない。


「遅すぎたのかもな。何もかも。
俺は、沙羅にイヤミなことばっか
言ってたしよ・・・。」



「そんなこと・・・」




ないって言おうとしたのを

翔が笑ってそれを防いだ。

「もういいんだっ!!
なんかスッキリした。
本当は今日もこんなことしたかったわけじゃねえ。
ただ、沙羅に『おめでと』って
素直に言いたかっただけなんだよ」


私は案の定

泣いてしまった。

翔はそれを見るなり

切なそうに笑って

「ほらっ笑えよ」

私にティッシュをくれた。


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