2人の王子と天然の姫
「ごほっ・・・だからっ」
「うん・・・」
「ごめん」
「沙羅??」
俺は優しく沙羅の頭をなでる。
沙羅はまた泣き始める。
「大丈夫。怒んねえから言ってみろ」
「・・・うん」
沙羅はやっと俺の方に顔を向ける。
「翔のね・・・お母さん、ガンで
亡くなったでしょ・・・」
「うん」
「それでね・・・本当はね。
翔が、その場にいるはずだったの」
「うん」
「でもね・・・翔のお母さんがね。
『翔にはこんな顔見せれないの。
だから沙羅ちゃん、お願い。
一緒に遊んできて』
そう、私に言ったの・・・」
「う・・・ん」
俺は静かにそう言う。