2人の王子と天然の姫
「私ね・・・あの時無理にでも
止めればよかったの。
でもね・・・私まだ凄い子供でね。
翔と遊べるならなんでもよかったの」
「うん」
「だからね、私のせいなの。
私があのとき・・・翔のこと・・・」
そこまで言うと、
沙羅はまた泣き崩れた。
俺はそんな沙羅を見ても
不思議と怒りもなにもこみ上げては来なかった。
沙羅が俺に話してくれた事が
本当だとするなら
沙羅は何も悪くはない。
「沙羅・・・」
俺が沙羅の名前を呼ぶと
ピクリと反応する。
「沙羅は悪くない。
ありがとな。本当のこと言ってくれて」
「うっ・・・」
沙羅は泣くのをやめない。