ユウとりこの物語
 一方ユウはこれまでになく、積極的になり、りこに対して性的アプローチを見せるようになった。
 二人の純情時代は終わり、性的なメールを交換しあうようになったのである。
 メールはあたかもヴァーチャルではあるが、セックスしているような感覚に陥るような内容に変化していった。
 二人は性的語彙を駆使してお互いの性的欲望を剥き出しにするようなメールを交し合った。けれどもこれまでの二人の交流があったのでりこも必然的なものと受け止めるのであった。
ところで、りこは栗鼠さんの所属する男女共完全無料のサイトで様々なオトコ達とメル友になった。彼らはそれぞれ面白い個性の持ち主という風に彼女には感じられるようになった。
 りこはプロフィールに性的なキャッチコピーを折り込み意識的にオトコ達を挑発した。そんな彼女にオトコ達は猥褻な内容のメールを送ってくるのであった。
 その中で、マコトという大学生は本来そのサイトでは困難な直アドでのメールを可能にした。年下のせいもあっていかにも付き合い易い相手である。
 りこは思い切ってこのメル友に実際に会い何度か肉体的交流を経験をした。彼は若いので、早漏気味で、年上のりこに寡散に挑むのだが今一歩の時に果ててしまう。
 そんなマコトに何か満たされぬ思いをりこは抱くのだった。
 そういううちにりことマコトは何となく冷めてゆき、次第に疎遠になった。
 りこにとってマコトは夢中になれない相手であることを彼女は悟ったのだった。
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