きみと一緒に
その日の帰り道・・・
「な~な♪ 一緒に帰ろーぜ」
「えーー。」
「さっ いこいこ。」
上機嫌の仁。なんでこんなに楽しそうなんだか。
しかたがなくトボトボ仁のうしろをついて歩くあたし。
校門を出ようとしたその時、
「キャーーー!! 仁様!!誰ですか!?その女は??」
きたきた、仁の追っかけ・・・ まじでうるさい。
しかもちらっと仁見るとめっちゃいやそうな顔してるし。
なのにまとわりついて離れない女達。
「ちょっと仁嫌がってるじゃない。静かにしなよ」
「あんたこそ黙ってて!てかあんた誰なの!?」
逆ギレした追っかけ。あたしもさすがにカチンときた。
言い返そうとしたその瞬間
「こいつは俺の彼女。だからおまえら俺にまとわりつくのやめろよな。」
仁が言った。。
「キャーーーー イヤーー!!」
またすごい悲鳴が上がった。うるさ過ぎだし。そんな悲鳴を無視して仁はあたしの
手を引いて校門を通り過ぎた。
歩きながら、「ごめんな。迷惑かけて…」
仁は疲れ切ったような顔して言った。
「おまえのおかげでしばらくはあいつら振り切れそうだよ。」
「そっか。良かった。」
「………ねぇ、いつまで手つないでるの??」
「あっっごめん。つないでたの忘れてた!!」
そう言ってあわてて手を離した仁。
だけど、なんだろう。離されたときもっと繋いでたかったとか思っちゃった。
って何考えてるんだろ、あたしはただの仮彼女なのに…
あれから家まで送ってもらって、今あたしはベッドの上でごろごろしながら考えてる。
今日は疲れたし、はやく寝よ。そう思って電気を消した。
朝、「いってきま~す」家を出て顔をあげるとそこに仁がいた。
「えっ、なんでいんの??」
「なんでって俺達恋人なんだから学校くらい一緒に行くだろ。」
ニコッと笑って当たり前のように隣りを歩きだした。
『フリなのにこんなにちゃんとするんだ。』あたしはビックリしながら歩いていた。