夢信号
ドアの先にあるはずの廊下がない・・・。



というか、いつもの家の景色ではないのだ。



目の前に広がる果てのない闇。




なにもない。




「ど・・・どうゆう事・・?!」


すぐさま後ろを振り返る。


そこは既に自分の部屋ではなかった。





「あぁぁ・・・・・・・・!」




喉の奥の方から声が漏れる。

ドアノブを握ったままの手が震える。


足が動かない・・・


かろうじて目を動かす事は出来た。

今の体勢のまま確認出来るのは、真っ暗な闇だけ。

きっと360度見渡しても同じ景色だろう。



「ぉ・・・お母さん・・・・・・・・・・・!」



声を喉の奥から搾り出す。



返事はない。

< 14 / 36 >

この作品をシェア

pagetop