夢信号
現実



「あーっ!!ベタ過ぎるっ!」



書きかけの原稿用紙をグシャグシャに丸め、ゴミ箱へ投げ入れる。


「くぁーっ!外れた!」


ただの紙くずとなった原稿が、ゴミ箱をかすめ床に転がる。


・・・やっぱあたし文才ないわぁ。


幼い頃から妄想・想像好きな自分は小説家になれるんじゃないか?
と思い、突発的に原稿を買い、机に向かい1時間経過。


その結果が、床に転がる紙くずとなった。

試しに目を擦ってみるとかさ・・・・



「ベタ過ぎるだろーっ?!」



一人暮らし、1DKの部屋でつい思い切り叫んでしまった。


ドンッ!


予想通り、間髪入れず隣に住む受験生の部屋から壁叩きの苦情。


あーすんません、すんません。


壁薄過ぎ。
こんな部屋でエッチでもしたら丸聞こえだろーな。


・・・。




する相手いないからセーフ!


そんな事したら隣の受験BOYが悶々としちゃうじゃない。

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