夢信号
「おっはよー!」

「ぅあっ!お、おはよ・・・」



クラスメイトの沙耶だ。
朝からずっと夢の事ばかり考えていて、学校に着いたという感覚さえ無かった。


「どしたー?なんか深刻そうな顔してるけど?」


下駄箱で靴を履き替えながら、心配そうに顔に覗き込む沙耶。


「え・・そうかな?そんな事ないよ。」


「ふーん・・・ならいーんだけどね!一緒に教室行こ!」


夢の事考えた・・・なんて言えないわ。

たかが夢だし・・。

きっと沙耶も「夢って、将来の夢?」なんて言いそうだし。


夢は夢。


どうせ夢なんだから気にしないようにしよう。



沙耶と他愛も無い話をしながら、教室に着く頃にはすっかり忘れていた。

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