カワイイ娘のカ・ガ・ミ


 一日で辞めるというのも無責任すぎるけど、後ろめたさを抱きながら亜里沙ちゃんと会うことはできない。


 私が茶封筒を返そうとしたそのとき、亜里沙ちゃんが階段を下りてきた。


「ミキお姉ちゃ~ん」


 私は後ろを向いて茶封筒を素早くカバンの中へ押し込む。


「どうしたの?」と、偽りの笑顔で尋ねる自分が怖かった。


「また来週の月曜日に来てくれるんでしょ?」

 亜里沙ちゃんが手を合わせ、お祈りスタイルで訊いてくる。

< 100 / 255 >

この作品をシェア

pagetop