カワイイ娘のカ・ガ・ミ


「そうだね。お別れするとき、ちゃんと約束しなかったね」

 私は亜里沙ちゃんの目の前に小指を差し出した。


 亜里沙ちゃんは笑顔で小指を絡ませてくる。


「約束だよ」


「うん、約束ね」


 帰り道、私の心は揺れに揺れた。水が並々と注がれたガラスコップが、ブランコの台座にのせられたみたいに不安定。


 どんなことにもいずれ終わりがくる。

 辞めるとき、亜里沙ちゃんにどんな顔をすればいいのかわからない。

 黙って別れるのも深い傷をつけてしまう恐れがある。


 楽な小遣い稼ぎの代償はあまりにも大きいような気がした。

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