カワイイ娘のカ・ガ・ミ
死んだお母さんの悲しさから学校を休んでるとはいえ、亜里沙ちゃんから友達の“と”の字も聞いたことがない。
話してくれるまで待とうというスタンスできたけれど、このまま閉塞された環境で亜里沙ちゃんを野放しにしといていいとは思えない。
「ピアノでも弾こうかな」
亜里沙ちゃんが例のごとく鍵盤に指を走らせる。
『猫ふんじゃった』は耳にタコが出来るくらい聴かされたけど、頭を揺らし、リズムを取る仕種をして亜里沙ちゃんと同調している振りをする。
突然、亜里沙ちゃんがため息をついて演奏をやめた。
「どうしたの?」
私は亜里沙ちゃんに尋ねた。