カワイイ娘のカ・ガ・ミ
純子の家は平屋の一軒家。
赤茶色のレンガブロックで出来ていてかなり年季の入った建物。
玄関の外にあるポストの口から、ハガキやら封筒の束があふれていた。
純子はそれらを目で確認することをせず、無造作に掴んでスクールバッグのサイドポケットに隠すように入れた。
いま思えばほとんどが請求書か督促状だったんだと思う。
台所と居間のスペースは細長く、押入れがある和室は布団が敷きっぱなし。
「弟は3時くらいまで帰ってこないから」
勇人君の姿はなく、きっと純子は悪戯っ子がいない時を見計らって招待してくれたのだ。