カワイイ娘のカ・ガ・ミ


「もう!片付けろと言ったのに」

 テーブルの上に散乱しているカップラーメンの器、お菓子の袋などを純子は透明なビニール袋にてきぱきと投げ入れる。


 純子がバイトするようになって面倒を見てくれる人がいない勇人君は、好きな物しか食べない栄養過多な食事を余儀なくされているようだ。


 純子のお母さんは水商売をしている。パチンコ好きで時々無断で仕事を休んでしまうらしく、純子が愚痴をこぼしていたことがある。


 満足な生活ができなくなって純子はバイトしているのではないだろうか?


 以前なら不快に見えてしまう襖に開けられたあちらこちらの穴、壁のラクガキなどがいまは好意的に見れる。

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