カワイイ娘のカ・ガ・ミ
締め上げる羊さんの腕を純子は解こうとしても、呼吸が苦しいのか満足な力が入らずに足をバタバタさせる。
「ど、どうして、純子にそんなひ、ひどいことするの?」
私は震えながら尋ねた。
「だってお姉ちゃんになってくれるって約束したのに、今日になって突然辞めたいって言うんだもん」
答えたのは亜里沙ちゃん。白い歯を見せてはいるが表情は消していた。
「純子を放して!」
私は声を振り絞って叫んだ。
「あなたよりジュンお姉ちゃんのほうが頼りになるから手放したくないんだ」と、亜里沙ちゃんが言うと「純子さんがお気に入りなんです」と、羊さんが無表情で補足する。