カワイイ娘のカ・ガ・ミ


 視線の先には羊さん。

 まだ首を絞めているけど、純子の足の爪先が床につく程度に若干力を緩めている。


「わたくしがやりました。薬を飲ませました。でも1回だけですよ」

 羊さんは舌が噛みそうになるくらいの早口で答えた。


「1回?私が柳沼家に最初にきたときと3回目の訪問のとき……つまり紅茶を出されて飲んだ帰りに悪夢を見たから薬を入れたんじゃないかと疑ってたんだけど」

 私は羊さんの困った顔を見逃さず、ここぞとばかりに畳み掛けた。


「どうしてそんな勝手なことをするの?」

 亜里沙ちゃんが目を見開いて羊さんに尋ねる。

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