カワイイ娘のカ・ガ・ミ
喋り方が子供とは思えないほど理知的で、聞いていると鏡に映った亜里沙ちゃんが別人のような錯覚を起こす。
「唖璃子と違うものを手に入れたのは染めてパーマをかけた髪の毛。
それは遠くからでも2人を見分けるため。面倒な役目はいつも亜里沙のほうです。
ある日、妹の部屋で一冊の本を見つけました。
題名は『鏡の国のアリス』で、亜里沙は嫉妬しました。
唖璃子にだけ本を買ってあげていたのです。しかもその本を唖璃子は読んでなくて大事にもしてなかったのです。
唖璃子なんかいなくなれ!と鏡の部屋でよくお祈りをしていました。
鏡の部屋は自分の顔を見るのがとても好きなお母さんがお父さんに頼んで作ってもらったお部屋です。
唖璃子と鏡の部屋でかくれんぼして遊んでいたとき、地震が起こりました。
一枚だけ鏡が倒れて割れると唖璃子が“キャッ”と短い悲鳴を上げました。
亜里沙は“いましかない!”と次から次へと唖璃子に向かって鏡を叩きつけるように倒しました。
下敷きになった唖璃子はピクリとも動かなくなりました」