カワイイ娘のカ・ガ・ミ
羊さんの顔色が変わった。
「なにそれ?」
亜里沙ちゃんが目に傲慢さを満たせて訊く。
「え、いえ、あの……それは」
羊さんは口ごもると純子の首に巻いていた腕を脱力させた。
純子がズルズルと床に崩れ落ちて「げほっ、げほっ」と苦しそうに咳き込む。それでもチラリと視線を投げてきて意識がしっかりしていることを伝えてくれた。
純子から勇気をもらった気がした。
「この中はお金よ!会う度にお小遣いをもらってお姉ちゃんになってあげてたの!!」
私は羊さんを睨んでわざと腹を立てたような振る舞いで言ってやった。
亜里沙ちゃんの次のリアクションで私たちの運命が決まる。