カワイイ娘のカ・ガ・ミ
「お金を渡してたの?」
亜里沙ちゃんは目を細くして片側の頬の筋肉を歪めるという嫌悪感を滲み出した。
焚きつけた願いは成就しつつあった。
「す、すいません」
羊さんは深々と頭を下げる。その行動で仕出かした事の重大さが伝わる。
「亜里沙はお金で愛情が買えないことくらい知ってるよ。お金でなんとかしようとする人は信用できないな。新しいお母さんたちはみんなお金目的でお父さんに近づいてくるんだもん」
亜里沙ちゃんの口調に子供っぽさが戻った。しかし、その変貌ぶりが逆に恐ろしかった。