カワイイ娘のカ・ガ・ミ
「鏡の隅を見て」
「柳沼合金製作所……寄贈……柳沼ってまさか?!」
「あの部屋にあった鏡で下敷きになって……血がついていた鏡を寄贈したのよ。だから、この子は唖璃子ちゃん!」
柳沼家の鏡は邪悪な意思を繋ぎとめていた……私はキッと唖璃子ちゃんを睨む。
『気づくの遅いね』
唖璃子ちゃんが口許を歪めて醜く嗤(わら)う。
「私たちをどうするつもり?」
私は意を決して訊く。
『みんなと同じように走ってくる地下鉄に飛び込ませてあげる』
「どうして、罪のない人たちを……」
問い詰めようとしたが、言葉が切れた。