カワイイ娘のカ・ガ・ミ
私と純子は蜘蛛のように腕と足を使ってなんとか離れようとしたが、気づいたときにはプラットホームの端まできていた。
アナウンスが流れ、真っ暗なトンネルの先から皓々と光るライトがぐんぐん巨大化してくる。
ギユッと純子が私の手を力強く握る。
痛みが走ったけど、私から一瞬だけ恐怖を取り除いてくれた。
「ジュン立って!」
私は純子を支えながら立ち上がった。
唖璃子ちゃんは足を動かしていないのに連続写真のように一瞬で移動を完了し『まず亜里沙お姉ちゃんのお気に入りのアナタから……』と言って洞窟のような深い闇を抱えた黒目を純子の鼻先まで近づけた。