カワイイ娘のカ・ガ・ミ


 私は車一台が通れる舗装された道を進んだ。

 石膏の噴水が玄関前に配置され、植栽が施された悠々としたガーデンが玄関まで30メートルほどの道のりを退屈にさせない。


 キョロキョロしながら玄関間際まで歩くとドアが開き、レトロなドット柄のワンピの上に紺色のカジュアルなエプロンをかけた女性が私を出迎えてくれた。

 年齢は40代くらいで、目尻にある褐色の斑紋、後ろに束ねた髪から所々飛びはねている白髪がなければもっと若く見える。


「わたくしヤギさんの執事です。わざわざお越しいただきありがとうございました」


「いえ、こちらこそ、よろしくお願いします」

 深々と頭を下げられ、私も恐縮しながらお辞儀をした。


 メール文と執事というハンドルネームで男の人かなと思っていた。


 執事というより家政婦さんではないだろうか?

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