カワイイ娘のカ・ガ・ミ


 女性は壁スイッチをONにして天井の照明を点けた。

 誘導灯と勘違いしてしまいそうな緑色の間接照明は、かろうじて足元まで届く明るさ。


 中廊下の片側だけにドアが4つ並んでいた。

 両側にドアがあったらぶつかってしまうくらい狭い。


 両脇の壁に犬や猫、アザラシ、ペンギンなどの動物系のイラストがひしめき合って中廊下をギャラリーに仕上げている。


 奥から2番目のドアを開けた女性は私を部屋へと招いた。


 幅広の置時計、透明な樹脂の台座の上に象牙のチェスの駒、応接セットは金色の光沢が眩しく、建物の外観と合致するセンスを感じた。


 客間らしき部屋に通された私は踏み入れたことのない環境に体が小さくなる思いがした。

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