カワイイ娘のカ・ガ・ミ
「ヤギさんの執事さんはここの家政婦さん……なんですか?」
なんて呼べばいいのかわからず、とりあえずハンドルネームで言ってはみたけれど、“さん”ばかりつけてしまい、私の顔は赤くなった。
「はい、そうですよ。話しを続けさせてもらいます。海外に出張することが多い旦那様は若い人のほうが話しも合うだろうという判断をされたみたいです。メールにも書きましたが、お嬢様はお姉さんがほしいようなのです。親戚に頼れる年頃の女の人がおりませんし、お母様が死んだショックが抜けきれず、いまは学校を休ませていますのでお友達はいません。それから私を呼ぶときは動物のメェ~と鳴く羊でいいですよ」
淡々とした口調で突然羊の鳴き真似をされ、私の心は和んだ。
「お嬢さんのお名前は?」
少し緊張が解けてきた私はまともな質問をすることができた。