カワイイ娘のカ・ガ・ミ


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 冷たいものが頬に触れたような気がして、私はおもむろに瞼を上げた。


 視界が白くぼやけている。


 火事?!


 一瞬焦ったが、コゲ臭いニオイはしない。


 ブルブルッと寒気がして自分の腕をさすると、手の甲に微細な水滴がついてしっとりとしている。


 間違いなく霧が発生している。


 でも、どうして地下鉄駅に……。

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