カワイイ娘のカ・ガ・ミ
周りを見ると人がいなかった。
向い側のホームにも人っ子ひとりいない。
自宅のマンションに一人でいるときとは比べものにならないくらい、寂しさがこみ上げてくる。
地球にたった一人取り残されたような感覚。
いったん外に出よう。
極度な寂しさは恐怖心へと変わって、私を小走りにさせた。
階段を上ろうとしたとき、鏡が目に入った。
鏡には真っ白い水蒸気が張り付いて、なにも映し出せないでいる。
あぁ~よかった。