カワイイ娘のカ・ガ・ミ


「痛っ」

 私は椅子から落ちて大理石パネルの床に思い切り腰を打った。


 少し離れたところにいた女子中学生の集団にクスクスと笑われた。


 あぁ~よかった。


 私は恥ずかしさよりも悪夢から解放された喜びに浸った。


 腕時計で確認すると、15分くらいホームのベンチで眠りこけていたらしい。


 でも、やけにリアル感のある夢だった。


 冷や汗が額を濡らしている。


 地下鉄駅にはいられない。

< 69 / 255 >

この作品をシェア

pagetop