カワイイ娘のカ・ガ・ミ


 私は交差点で純子を待っていた。メールで伝えていないのに早目に来てしまった。


 純子に超能力でもあれば別だけど、気を利かせて早く来るわけないのに、落ち着かなくて仕度ができたらすぐに家を飛び出していた。


 待つこと21分。


 いつもの時間に純子がやって来た。


「おはよ、風邪大丈夫?」


「う、うん」

 純子の気遣いに素直に喜べない自分。嘘をつくといろんなところに弊害が出てしまうことを知った。

 咳をするなどの演技は心苦しくてできなかった。

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