カワイイ娘のカ・ガ・ミ


「ありがとう」

 褒められるのが大好物なようで、亜里沙ちゃんは満面の笑みを見せてくれた。


 ノックして羊さんが部屋に入ってくると、オレンジジュースを机の上に置きながら亜里沙ちゃんに尋ねる。

「ミキお姉さんは優しい?」


「うん、すごく優しいよ」

 亜里沙ちゃんの答えに安心しつつ、羊さんの質問に疑問を感じた。

 ミキお姉ちゃんと呼んでもいい?と亜里沙ちゃんに訊かれたとき、羊さんはいなかった。“ミキさんは優しい?”だと違和感なんて持たなかった。


 ドアの外で聞き耳を立てていたのだろうか?


 考えすぎだろうか?

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