カワイイ娘のカ・ガ・ミ


 私は気づかれないように何度も腕時計を見た。1時間がとても長く感じた。


 1時間を2分過ぎて、羊さんが現れた。


「亜里沙ちゃん、ミキお姉さんはそろそろお家に帰らないといけないお時間よ」


「えぇ~もう帰っちゃうのぉ~」

 鍵盤から手を離した亜里沙ちゃんは鼻を鳴らす。


「ごめんね」と私が謝ると、少しは事情を理解しているみたいで、亜里沙ちゃんは気持ちを引きずりながら「バイバイ」と手を振ってくれた。

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