俺のココ、あいてるけど。
○。March。○
バイバイ
◇未来side.*:・゚
「ねぇ、恵介」
「・・・・」
「恵介ったら・・・・」
「・・・・」
「どうして・・・・?」
あたしは今、わけが分からないまま、恋人の恵介に振られようとしている。
ここはファミレス。
夕飯時だということもあって、周りはカップルや家族連れでガヤガヤしている。
だけど、恵介とあたしが向かい合って座るこの席だけは、息が詰まるほどの重苦しさが漂っていた。
「未来──・・」
恵介が何本目かの煙草を灰皿に押しつけ、口を開いた。
あたしとは、もう目も合わせてはくれない・・・・。
「お前、重いんだよ」
“重い”・・・・。
何度言われた台詞なんだろう。
無表情のままそう言った恵介は、また新しい煙草に火をつけようと手を伸ばした。
あたしは、その手をすがりつくように取った。
まだ恵介が大好きだから・・・・。
「待って、恵介。あたしのどこが重かったの? 悪いところは全部直すから、お願いだから別れるなんて言わないでよ・・・・」
< 1 / 483 >