俺のココ、あいてるけど。
 
◆誠治side.*:・゚



・・・・あれ? なんだ、これ。

次の日、俺の机の上には見覚えのない煙草が置いてあった。


「店長、この煙草、誰のか知りません? 俺の机に置いてありましたけど・・・・」

「ん? 登坂のじゃないのか?」


店長にも分からないのか。

誰のだろう・・・・あっ!


「いえ、忘れてましたよ、俺が買い置きしていた煙草でした」

「なんだ登坂、ボケたか?」

「はは・・・・すみません」


そう言いながら、俺は煙草とメモをそっとポケットに入れた。

店長に見せながら聞いていたが、ふと煙草が置いてあった場所に目を戻すとそこには小さな紙。

『この間のお礼です。 長澤』

と、小さな字で書いてあった。


長澤がくれたもの・・・・そう思うとなぜか焦って嘘をついてしまう。

店長にばれなかっただろうか。


「若いからって無理をすると、歳をとってからが大変だぞ?」

「はい、気をつけます」

「俺みたいになるなよ?」

「・・・・」


どう返そう。
 

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