俺のココ、あいてるけど。
ふぅー・・・・と深く煙を吐くと、モッサ君はあたしの目を真っすぐに見て言った。
本気なの? 冗談なの? ・・・・そんなの分からないよ。
「あの、えっと・・・・それは・・・・」
だからあたしは、どうしてもこうなってしまう。
こんな目をしたモッサ君は初めてで、うまく言葉が出てこない。
すると、モッサ君は急に表情を柔らかくして言う。
「まぁ、それは冗談として。本当は仕事でちょっと失敗してさ」
「そ、そうなんだ・・・・」
「うん。恥ずかしい話だけど、発注の桁を1つ間違えてたみたいでさ、店長に大目玉食らったんだ」
「大変だったね・・・・」
「まぁな」
モッサ君はさっきのように少し開けた窓の隙間から煙を吐いた。
その仕草にあたしはほっとする。
だって、冗談でもあんな真剣な目をされたら誰だって・・・・。
傘の持ち手を握る力も緩んだ。
「なんか、柄にもなくすげー落ち込んじゃって。そうしたら、一番に浮かんだのが長澤の顔だった。だから夜中に・・・・ごめん」
「ううん・・・・」