俺のココ、あいてるけど。
「そんな・・・・。あたしはただ隣に住んでいるだけだよ。綾ちゃんが心配するようなことは何も・・・・」
あたしはベッドを占領している綾ちゃんをなだめるように言った。
あんまりバタバタさせると埃が立っちゃう・・・・。
「そうじゃなきゃ困りますよ〜!綾、登坂さんに本気なんだもん!未来さんはおとなしくしててくださいね!」
そう言うと、綾ちゃんはニコッと笑ってベッドから下りた。
あたしは、ただその笑顔に微妙な顔で頷くしかなかった。
綾ちゃんの恋の邪魔になるようなことは登坂さんとの間にはない。
あたしは恋の傍観者。
今はまだ、次の恋をしようという気にはなれない・・・・。
綾ちゃんはかわいいし明るいし、積極的で誰とでもすぐに打ち解けられるような子。
あたしとは正反対の子なんだ。
きっと“重く”もないと思う。
「“恋”かぁ・・・・」
綾ちゃんが帰ったあとの部屋で、あたしはベッドに仰向けになってため息をもらした。
枕には、綾ちゃんの甘い香水の匂いがかすかに残っていた。