俺のココ、あいてるけど。
そんな話をした次の日───・・
今日も一緒に仕事をしていた綾ちゃんとあたしは、花火コーナーの設置を任されていた。
ワゴンいっぱいに大小さまざまの花火を並べたり、その周りの飾りつけをしたり。
骨が折れる作業だったから2人でやっていたんだけど・・・・。
綾ちゃんはさっきから登坂さんを探してずっとキョロキョロ。
ほとんどあたしが1人で頑張っているようなものだった。
すると・・・・。
「あっ!登坂さんだぁ♪ ちょっと話しかけてきますね!」
バックヤードから出てきた登坂さんを見つけた綾ちゃんは、さっそく駆け寄っていった。
「ちょっと待って、綾ちゃん!まだ終わって・・・・」
“ないよ、花火の設置”・・・・と言い終わる前に、綾ちゃんの姿はなくなる。
「足、速いのね・・・・」
“友だちの妹だから”ということもあって、なかなか注意もできないあたし。
紹介した手前、きちんと公私を分けて仕事をしてもらいたいんだけど・・・・そういうわけにもいかないんだよね。
“恋”だもの。