俺のココ、あいてるけど。
 
そんな話をした次の日───・・


今日も一緒に仕事をしていた綾ちゃんとあたしは、花火コーナーの設置を任されていた。

ワゴンいっぱいに大小さまざまの花火を並べたり、その周りの飾りつけをしたり。

骨が折れる作業だったから2人でやっていたんだけど・・・・。


綾ちゃんはさっきから登坂さんを探してずっとキョロキョロ。

ほとんどあたしが1人で頑張っているようなものだった。


すると・・・・。


「あっ!登坂さんだぁ♪ ちょっと話しかけてきますね!」


バックヤードから出てきた登坂さんを見つけた綾ちゃんは、さっそく駆け寄っていった。


「ちょっと待って、綾ちゃん!まだ終わって・・・・」


“ないよ、花火の設置”・・・・と言い終わる前に、綾ちゃんの姿はなくなる。


「足、速いのね・・・・」


“友だちの妹だから”ということもあって、なかなか注意もできないあたし。

紹介した手前、きちんと公私を分けて仕事をしてもらいたいんだけど・・・・そういうわけにもいかないんだよね。

“恋”だもの。
 

< 118 / 483 >

この作品をシェア

pagetop