俺のココ、あいてるけど。
「だってなぁ、登坂、梅村さんは店長の俺が何を言っても言うことを聞きそうにないじゃないか」
でも店長は“自力でなんとかしてくれ”とばかりに俺の肩を揉む。
「若い女の子が少し歳上の男に憧れる、だだそれだけだ。特に珍しいことでもないだろう?」
と、さらに付け加える。
店長にも年頃の娘がいるそうだ、そういう話はよく聞くのだろう。
その考えにも一理あると思った。
「まぁ、確かにそうですね。俺も歳上に憧れる時期がありました」
「だろう? うまくつき合ってやってくれ。な、登坂」
「・・・・はい」
最後にもう一度俺の肩を叩くと、店長はバックヤードを出て店内へ姿を消した。
1人になった事務所で、俺は椅子に深く座り直し考える。
10代の頃、店長に言ったように歳上の女性に憧れた時期があった。
今思えば、それは“恋に恋”をしていたからのように思う。
梅村綾もそれと同じだとすれば、俺に好意があるのではなくて“大人の男”に興味なり関心があるんじゃないか・・・・。
俺はそう思う。