俺のココ、あいてるけど。
芽生える想い
◇未来side.*:・゚
あれから1週間ほどが過ぎた。
綾ちゃんは相変わらず、登坂さんの姿を探してばかり。
あたしは相変わらず、そんな綾ちゃんに注意の1つもできない日々が続いていた。
そんなある日───・・。
「未〜来、久しぶり♪ 綾の奴、ちゃんと仕事してる?」
綾ちゃんのお姉ちゃん・あたしの高校時代の友だちの奈緒がスーパーにやってきた。
あたしはちょうどレジを打っていて、前のお客様がお会計を済ませたところで。
“いらっしゃいませ”と言う前に間髪入れず声をかけられた。
「・・・・嘘!? えっ、奈緒!?」
成人式のときに会って以来だから、もう2年近くも会っていない。
そんな奈緒が目の前に突然現れたのだから、驚くのは当然。
あたしは目を丸くした。
「未来の驚きっぷりは健在だね。高校のときなんか、それが楽しくて毎日のようにいたずらしてたくらいだよ」
「も〜!それはいいの!でも、奈緒も相変わらずみたいだね。懐かしいよ」
「そうだね」
「うん」