俺のココ、あいてるけど。
 
「うん、ちゃんとやってるよ」


結局こう言っちゃうんだよなぁ、あたしって・・・・。

綾ちゃんの積極的な行動に登坂さんはいい顔はしていないし、パートさんからは「子守り大変そうだね」なんて言われるし。

でも、いくら友だちだからって、そんなことは言えないよ・・・・。


「本当!? よかったぁ〜。悪いけど、綾の面倒よろしくね」

「任せて!」


だって、こんなに妹思いの奈緒なんだもん。・・・・無理だよね。

あたしは奈緒に笑顔を向けた。










それから時間が過ぎ、綾ちゃんたちバイトの子が出勤してくる時間になった。


「あ、未来さんだぁ!おはようございまぁす♪」

「おはよう、綾ちゃん」


今日も綾ちゃんはルンルン。

登坂さんと会えることをすごく楽しみに、こうしてバイトに来る。

そんな姿を見ていると、あたしは何も言えなくなるんだ。


だって・・・・。

綾ちゃんはバイトの間だけしか好きな人を──登坂さんを見ることができないんだもの。

あたしとは違うから。
 

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