俺のココ、あいてるけど。
 
「未来さん、今日、奈緒姉が来ませんでした? なんか、昨日から超〜張りきって“未来に会いに行く!”って言ってましたよ♪」

「そうなんだ。午後に会ったよ」


今日は、綾ちゃんと2人、調味料の品出しをすることになった。

まだまだ覚えてもらうことはたくさんあるから、今のところは2人一緒に仕事をするんだ。


「綾のこと、何か言ってませんでした? 奈緒姉、余計なことばっかり言うから・・・・」


綾ちゃんはちょっと恥ずかしそうにあたしに聞く。


「ううん。すごく心配してたよ、綾ちゃんのこと。いいお姉ちゃんじゃん!」

「えへへ♪」


綾ちゃんは、物心ついたときからお姉ちゃん子だったんだって。

でも今は、同じ屋根の下に住んでいても寂しいらしい。

奈緒が結婚して、赤ちゃんが産まれて・・・・どんどんお姉ちゃんが離れていくのが辛い、と。


いつもは元気に明るく振る舞っているけど、ときどき寂しそうな顔をするときがあるんだ。

だから、ちょっと口は悪くても本心では奈緒が綾ちゃんの様子を見に来たことが嬉しいんだよね。
 

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