俺のココ、あいてるけど。
「あ、安藤君、お疲れさま。・・・・今日はごめんね。これからは気をつけるから」
安藤君にも迷惑をかけてしまったから、山下さんにしたのと同じように深く深く頭を下げたあたし。
「いいんですよ!みんなノリノリ
だったし、無口な及川も鼻歌なんて歌ってたくらいですから!」
「ノリノリ? 鼻歌?」
・・・・え、なぜ?
「はい!あれ? 登坂さんから聞きませんでした? 今日の埋め合わせのこと・・・・」
「・・・・??」
あたしが首を傾げると、安藤君は“しまった!”と口をふさぐ。
「あ・・・・えーっと、今のは聞かなかった、という方向で!」
「ど、どうし───・・」
「すみません、俺、洗い物がまだ残ってました!じゃあ、お疲れさまでした!」
「え、あっ、ちょっと・・・・!」
安藤君は、逃げるようにして鮮魚加工のブースの中へ消えた。
・・・・もう、何なの?