俺のココ、あいてるけど。
 
◆誠治side.*:・゚



チラ。チラチラ。

俺は、さっきから時計が気になって気になって仕方がない。


がっくりと肩を落として事務所を出ていった長澤が、またここに戻ってくるまで・・・・。

そうだな、あと1分くらいか。

あまりにも落ち込んだ様子だったから、景気付けも兼ねて少しいたずらをしてやったんだ。


・・・・というのは口実で、本当は長澤に元気を出してもらいたい。

今日の長澤は少し変だった。

それは、朝に俺が余計なことを言ったせいもある・・・・にしてもだ。

どこか間が抜けていて、悩んでいるようでもあり、苦しそうでもあり、見ていて切なかった。


「あの・・・・」


そんなことを考えていると、案の定、長澤が狐に顔をつままれたような顔でやってきた。


「なんだ?」

「登坂さん、今日の埋め合わせって何ですか? 安藤君が言ってましたけど・・・・」


安藤・・・・!


「あぁ、飲み会だ」

「飲み会・・・・ですか」

「そうだ」


安藤め、口を滑らせやがって。
 

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