俺のココ、あいてるけど。
綾ちゃんのその言葉には独特の含みがあって、本当に心配しているようにも聞こえるし・・・・別の意味で言っているようにも聞こえる。
その大きな目の奥にも、同じようにどちらにでも取れる意味があるように感じた。
“未来さんと登坂さん、同じ理由で飲んでいるみたいだよ?”
綾ちゃんのそんな声が、今にも聞こえてきそう・・・・。
「あたしはちょっと飲みすぎただけ。久しぶりのお酒だったから、なんだかおいしくって」
だからあたしは、その言葉と目を誤魔化すように笑って言った。
「ふぅ〜ん、そっかぁ。あ、モッサ君が心配してましたから、早く戻ってあげてください♪」
「うん、ありがとう」
「はぁい♪」
一瞬、視線が鋭くなったように感じたけど、それが嘘みたいに綾ちゃんはすぐに笑顔になった。
そして、ヒラヒラと手を振って飲み会の席に戻るあたしを見送る。
そんな綾ちゃんが、どうしてなのかな・・・・あたしには怖かった。
もしかして・・・・綾ちゃんは気づいているの?
あたしの気持ちに・・・・。