俺のココ、あいてるけど。
 
「今日は楽しかったですぅ!綾、登坂さんが酔ったところ、初めて見ました!かわいいね♪」

「そっか、よかったね。じゃあ、綾ちゃんは登坂さんをお願いね」

「任せてくださぁい♪」


そんな不安を拭いきれないまま飲み会は終わり、あたしはモッサ君と、登坂さんは綾ちゃんと帰ることになった。

綾ちゃんは今日、車で来たそう。

免許を持っているのがなんだか意外で、持っていないあたしはずいぶん子どもに思えた。


どうしてこんな形で帰ることになったんだっけ・・・・思い出せない。

だけど、現に登坂さんは綾ちゃんの赤い軽に乗ったし、あたしはモッサ君の黒い車に乗った。

それが事実・・・・。





「長澤、このまま真っすぐ部屋に帰る? どうする?」


車に乗り込んだモッサ君が、エンジンをかけながら聞いた。


「ちょっとドライブがしたいな。適当に走ってもらえる?」

「分かった」


どうしてもこのまま部屋に帰りたくなくて、あたしはそう言った。

登坂さんが乗った綾ちゃんの車、今は見たくないんだ・・・・。
 

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