俺のココ、あいてるけど。
泣いてすがるなんて、恵介はみっともない女だと思うかな。
だけど恵介、やっぱりあたしは恵介じゃないとダメなんだよ・・・・。
「はぁ──・・」
恵介は長いため息をつく。
そのため息からは、明らかに苛立ちの様子が伺えた。
そして、あたしの手を振り払うようにして・・・・カチッ。
煙草に火をつけた。
恵介が吐いた煙草の煙が、あたしの顔や頭に降りかかる。
まるで晴れない靄のように・・・・。
「あのさぁ、お前分かってんの? そういうところが俺にはウザいんだって」
「っ・・・・」
あたしの目からは、恵介に手を払われて、ウザいと言われて、ぽたぽたと涙が落ちた。
「未来がどういう気持ちで付き合ってんのかは知んねぇけど、俺は軽い付き合いがしてぇんだよ」
「・・・・」
「悪いけど、俺には未来は無理。もうやっていけない」
恵介は、そう言ってつけたばかりの煙草の火を乱暴にもみ消した。
「だって俺、まだ21だぜ? 長い付き合いとか将来とか、正直言ってなんも考えてねぇから」