俺のココ、あいてるけど。
そうして、あたしは登坂さんに食べてもらうことを想像しながらお弁当を作った。
“好きな人に作るお弁当ってこんなに楽しいんだ”
作り終わって改めてそう思う。
作っている最中もお弁当箱に詰めるときも、すごく楽しかった。
今までは自分用のしか作っていなかったから、新鮮で幸せで・・・・。
食べてくれるかな?
うまいって言ってくれるかな?
って、ドキドキもして。
いつの間にか、おにぎりやおかずをほおばる登坂さんの顔を想像しちゃっていたり。
自分でも“危ないな”って思うほど顔中の筋肉が緩んでしまった。
7時になると、隣の部屋からカーテンを開ける音がした。
登坂さんが起きたみたい。
「あ!あたしも着替えなきゃ!」
その気配で寝たときの格好のままだったことに気づいたあたし。
急いでワンピースに着替えて、髪もとかしてメイクもして、バタバタと身支度を整えた。
出かける前に鏡の前でおかしなところがないか最終チェック。
こうして、朝の慌ただしい時間はあっという間に過ぎた。