俺のココ、あいてるけど。
 
「あ、あの・・・・登坂さんは綾ちゃんたちと遊ばないんですか?」


気を取り直したあたしは、それから日焼け止めを塗りながら登坂さんに尋ねてみた。


「あぁ。でも、俺まで離れると荷物見る奴いなくなるから」

「そうですよね。すみません、当たり前のこと聞いて・・・・」

「いや、別に」


だけど、返ってきたのはこんな返事。確かにそう、みんなで遊んでいたら荷物が危ないよね。

あ、じゃあ・・・・!


「荷物はあたしが見ますから、登坂さんも足だけでも水に浸かったらどうですか? 冷たくて気持ちよかったですよ?」


登坂さんにだけ荷物を押しつけるわけにはいかないもの。

せっかく海に来たんだし!と思って、そう提案してみた。


「そうか?」

「はい!」

「あ、でもな・・・・」

「はい?」


その提案にいったん腰を上げた登坂さんは、思い直したようにまたシートに座り直した。

どうしたのかな?

海、嫌いだったのかな。


「ここにいるほうがいい。長澤が心配だからな。・・・・ナンパとか」
 

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