俺のココ、あいてるけど。
・・・・ナ、ナンパ!? あたしが?
その響きに驚いて言葉に詰まったあたしに登坂さんは軽く微笑む。
登坂さんの視線が眩しくて、あたしを“女性”として見てくれていることが嬉しくて。
歯がゆいような、もどかしいような・・・・甘酸っぱい気持ちが胸いっぱいに込み上げた。
「そんな・・・・。自慢じゃないですけど、一度もナンパされたことがないんですよ? あたし。今さらいませんよ、そんな人・・・・」
でもあたしは、照れ隠しでそう言ってしまう。
“嬉しい”と全身が叫んでいるのに、それをひた隠しにする。
「前はそうでも今は違うかもしれない。1人にしておけないから。それに、この歳でボールで遊ぶのは恥ずかしいしな」
「・・・・はい、そうですか」
「見てるほうが性に合うんだ。だから俺のことは気にするな」
「はい・・・・」
登坂さんは優しいな。
こんなあたしのこともちゃんと考えてくれて、気遣ってくれて・・・・ますます好きになっちゃう。
登坂さんに好きになってもらえる人は、きっとすごく幸せなんだろうな。