俺のココ、あいてるけど。
 
モッサ君はそう言ったきり、しばらく黙り込んでしまった。

それから、これじゃあ間が持たないとばかりに・・・・カチッ。

マイルドセブンに火をつけた。

それが残り半分近くになったところで、沈黙に耐えきれなくなってあたしからまた口を開いた。


「分かってるんだ、あたしも。このままじゃダメだってこと・・・・」


そう言って、体育座りをしていた膝に顎を乗せた。

モッサ君は、ふぅーっと煙を吐くと静かにあたしを見て言う。


「そう。でも無理なんだ?」

「怖いの。また“重い”って言われたら・・・・って思うと、好きな気持ちが負けちゃう」

「じゃあ、それって大して好きじゃないんじゃないの? 登坂さんも登坂さんだけどさ、長澤も長澤だと思うよ」

「・・・・」


モッサ君の言葉が胸に刺さる。

“大して好きじゃない”・・・・本当にそうかもしれない。

あたしはただの弱虫で、甘えん坊で、自分が傷つくのが怖いだけ。


じっと見つめていた足元の砂が涙でぼやけて見えなくなった。

何してるんだろう、あたし・・・・。
 

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