俺のココ、あいてるけど。
◆誠治side.*:・゚
「向こうに行って話そうか」
もうこれ以上はダメだと思った俺は、そう言って梅村綾を連れて長澤とモッサの前から離れた。
前々から我慢していた、今朝だってぐっとこらえた・・・・でも、そろそろ俺も梅村綾も限界だった。
彼女をこんなふうにさせたのは、紛れもなく俺のせいだ。
だから、今日で終わりにしよう。
「ここら辺に座るか」
「・・・・」
適当な場所まで歩いた俺たちは、近くにあった流木に腰掛けた。
歩いてくる途中、梅村綾はずっと無口で下を向いていた。
ときどき鼻をすする音が後ろから聞こえてくるだけで、それを俺は聞こえないふりをした。
「・・・・なぁ、俺が何を話したいか分かるか?」
聞くと、梅村綾は首を振った。
分からないというよりは“聞きたくない”というサインだった。
でも、俺はそれに構わず続けた。
「さっきのはやり過ぎだ。それはお前にも分かるだろう? 長澤やあいつに八つ当たりするのはよくない。頭を冷やせ。いいな?」